自動車品質規格への対応(IATF16949)
What is VDA?
VDAとは?
VDAとはドイツ自動車工業会(Verband der Automobilindustrie)のことである。ドイツの自動車メーカーと取引する企業は、VDAが発行した品質規格に準拠したマネジメントシステムやプロセスが要求される。ちなみに、VDA規格で提唱された技法は、IATF16949で引用されており、国際的な自動車品質規格にも影響を与えているとされる。
VDA6.3のプロジェクト変更管理に関する要求
VDA6.3は、VDA規格の中でプロセス監査に用いられ、製品ライフサイクルを構成するプロセスに関する質問票を提供している。下図は、その中のプロジェクトの変更管理に関する質問票を示したものだ。英語の原文で恐縮だが、顧客固有要件への適合性、変更のリスク評価、重要サプライヤの巻き込み、顧客への報告と合意、全ての変更の文書化、責任者の定義などが要求されていることがわかる。 この要求に対し、PLMのプロジェクト管理を利用する企業が増加している。
PLMにおけるプロジェクトの変更管理モデル
プロジェクト管理のソフトウェアとしては、Microsoft Projectが代表的なものとして普及しているが、PLMシステムが提供するプロジェクト管理機能はそれに対して特長がある。一つはWBS(ワークブレークダウンストラクチャー、プロジェクト・フェーズ・タスクをツリー上に構成したもの)の履歴管理ができることであり、もう一つはフェーズやタスクに成果物などのドキュメントを関連づけができることにある。 下図はPLMにおけるプロジェクトの変更管理モデルを示したものである。プロジェクト、フェーズ、タスクにリビジョンが存在し、これを用いて履歴管理を行う。下図の例の変化点は、タスクの終了予定日と、リソース(担当者)であるサプライヤが変更になったことである。変更されたタスクに対してPCO(Project Change Order, プロジェクト変更指示、この例ではPCO1)を関連づけて、変更理由や変更時期、承認プロセス(ステークホルダの巻き込みや合意、文書化)を管理するのである。これにより、VDA規格の要求に応えるのである。
次のコラムでは、品質規格や各種規定のPLMシステムへの実装手順について解説する。