PLM構築時のチェックポイント1

全体最適化という理想を追わない

PLMやBOM、PDMは設計開発~生産、販売等 企業の縦割り組織を横断して情報共有することで大きな効果が生まれます。逆に言えば、部門横断型の情報共有システムの整備が出来ていない企業が多いことを示しています。

メールやドキュメントの共有であれば ルールを決めることで共有作業が始められます。しかしPLMに関わる作業では 各部門のやりたいこと、得たい情報、管理したい項目が異なります。またシステムに関する予算や維持サポート費の考え方も異なるでしょう。各部門間のステークフォルダーを解決しながらPLMの全社導入を進めるためには 多くの時間と予算が必要になることから 部門間の統制が乱れたり、協力的ではない、独自システムを勝手に導入する、など足並みが乱れることになります。

結果として 当初の想定とはかけ離れたPLMが構築され、またそのPLMがあるが故に 各部門で新たな取り組みが出来なくなるという負のスパイラルが発生します。そしてそのPLMは 10年や20年は使い続けられます。

全社で取り組まなければ効果が出ない?

PLMは全社で取り組まなければ多くのメリットを得られないということは正しいはずです。しかし「全社で取り組むということ」と「全社で同じシステムを使わなければならない」ということはまったく異なります。

見える範囲を最適化

設計部門であれば、設計部門の課題についてはよくご存じでしょう。また生産管理部門であれば同様の答えとなります。全体最適化を追うことで、最も身近な課題の解決もできないのであれば PLMは 小さな範囲で導入していくことが正解です。

情報と仕組みを分けて考える

その仕組み(システム)の情報は、そのシステムからしかアクセスできないのでしょうか?。その場合、データ(情報)は「誰のもの」なのでしょうか?。そのシステムを使わなくなった時、保存したお客様データはどうなりますか?自由にアクセスできますか?

情報(データ)と仕組み(システム)を賢く分けて考えることでPLMは もっともっとシンプルになります。

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